猫って本当に神秘的ですよね。日頃からゴロゴロしている愛猫も、ふとした瞬間に神がかったような姿に見えるのは私（筆者）だけではないはず。
猫は犬と並び、太古の昔から人間に最も近い動物として、私たち人間と一緒に暮らしてきました。
伝説や昔話によって神様になった猫もいます。
今日は、そんな猫と神話のおはなし。
猫の神格化はいつから？
古代エジプトでは、飼い主が亡くなったときに、飼いネコも一緒にミイラにするという風習がありました。
ペットを飼い主と一緒に埋葬するという文化は、猫を神様として崇めていた「バステト信仰」が由来と考えられています。
古代エジプトの神様のほとんどは、犬（アヌビス神）や、ハヤブサ（ホルス神）など動物を擬人化した神様が多いです。
その中の猫をモチーフにした神様が「バステト神」です。
神様としての役割は、「人間に強い母性を与える女神」として信仰の対象になっていました。
元々は、猫ではなく雌ライオンの頭部を持った神様として崇められていましたが、紀元前1000年頃に猫の頭部を持つ人間の姿になったそうです。
ピラミッドなどに描かれている壁画では、手に子供をあやすガラガラのような楽器などを持っており、これらの持ち物が母性の象徴として崇められていたと考えられています。
猫のイメージとして「女性らしさ」や「セクシー」と表現されるのは、このバステト信仰が影響している可能性もありますね。。
他の神様的な猫も調べてみました。
ケット・シー
テレビゲーム「ファイナルファンタジー」のキャラクターや、召喚獣（異世界から呼び寄せるモンスター）としても有名なのがケット・シーです。
ケルト文化（スコットランド）における妖精で、大型犬くらいの大きさが一般的といわれています。
体毛が逆立つように生えていること、背中が威嚇するような弓状の形をしているのが特徴です。
普段のケット・シーは人間界で飼いネコのように暮らしており、普通の猫と見分けが付かないそうです。
しかし、ケット・シーには王国があり、いじめられると本性を見せて、いじめた人間をケット・シーの王国に連れ去ってしまうという伝承があります。
二本足で歩いて、人間の言葉を話すこともできるようで、ついうっかりしゃべってしまう「うっかりケット・シー」も中にはいるそうですよ。
猫と一緒に暮らしていて、人間の言葉に近い声で鳴いていたら、実はケット・シーかも!?
悪魔にもなる？
バステト神のように、神様として崇められた猫ですが、所変われば事情も変わるようで、国によっては悪魔や妖怪としても畏れられています。
日本でも、化け猫として言い伝えになっていることもありますね。海外では、悪魔の使い魔、魔女のペット（魔女の変身後の姿という説も）としても有名です。
「黒猫が目の前を横切ると不吉なことが起きる」というジンクスは、ヨーロッパの悪魔や魔女信仰から生まれたものなんだそうですよ。
中国では九尾の狐（しっぽが九本あるキツネ）が、妖怪の中でも位の高いという伝説がありますが、ヨーロッパでは九尾の猫の伝説があります。
長生きすると尻尾が枝分かれして九本になり、魔力を持ち始めるという説もあります。
悪魔的な猫と神様としての猫に共通しているのは「女性」というキーワードです。
しなやかな動きやセクシーさが女性をイメージさせるのは、神様でも悪魔でも万国共通のようですね。
他の悪魔・妖怪的な猫を調べてみました。
猫又
日本の民話や伝承で多いのが猫又です。
猫又という名前は、尻尾が二つ分かれているのが名前の由来だそうです。
年老いた猫が変化するようで、前述した九尾の猫に近い伝承ですね。
猫又は、人間を騙して食べてしまうという恐ろしい妖怪です。
宮沢賢治の「注文の多いレストラン」では、この猫又が「山猫亭」というレストランで旅人を食べるという物語になっているのは有名な話ですね。
ファミリア
ヨーロッパの伝承で、ラテン語で召使という意味をもつ「ファムルス」が語源です。
守護天使や守護霊といった外敵から身を守ってくれる精霊という説もあれば、悪魔や悪魔の使い、インプの化身という説もあります。
インプとは、体長10センチほどの大きさから、人間の子供くらいの大きさまで色々なサイズでの伝承が残っています。
悪魔の一種で、地位は低め。魔女の使い魔だったという伝説もあります。
猫＝魔女という考えは、このインプやファミリアから派生したと考えられています。
結論：猫は神秘的な逸話が多かった！
猫にまつわる神話についてつづってきました。
結果、猫という動物が一層神秘的で謎が多いということになってしまいましたが、それを裏付ける伝説や伝承も多かったですね。
ペットとして気まぐれな猫も、実は神様、もしくは小悪魔として一緒に暮らしているかもしれませんね。
鳴き声が人間の言葉に聞こえたら要注意かも!?
